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対象疾患

高血圧

高血圧というのは、血圧の値が慢性的に高くなっている病態です。心臓は1日24時間、1年365日、常に収縮と拡張を繰り返しており、血圧も刻々と変化しています。また、夜間や睡眠中は血圧が低くなる傾向が見られますし、逆に激しい運動を行っている最中は血圧も高くなります。季節ごとの変更もあり、一般的には寒い冬の時期に血圧が高くなると言われています。

このように、血圧は様々な要因で一時的に高くなることがありますので、高い血圧値イコール病気だとは言えません。運動時などで血圧が一時的に上昇すること自体は正常なのです。しかし、こうした理由がないのに、血圧が高い状態が続いているとしたならば、早めの対策が必要となります。健康診断などで高血圧を指摘された方は、お早めに医療機関を受診し、精密検査を受けると良いでしょう。

高血圧の原因

高血圧は、遺伝的因子も作用しますが、最も大きな要因は生活習慣の乱れです。脂っこい肉や揚げ物が好きな方、味の濃い食事を好まれる方は非常に多くいらっしゃいますが、高血圧の原因となるので注意しましょう。デスクワークが多く、定期的な運動も行っていない場合も、高血圧を引き起こす要因となります。さらに、精神的なストレス、過剰な飲酒、喫煙などもリスク因子です。

なお、高血圧には不摂生な環境因子によって起こる本態性高血圧症だけでなく、何らかの疾患に起因して起こる二次性高血圧症もあります。そのような場合は、原疾患を治療することによって高血圧の是正も期待できます。

高血圧の治療

高血圧治療の基本となるのは食事療法です。特に、塩分摂取は血管を硬化させるなど悪影響を及ぼしますので、減塩に努めます。一日の食塩摂取量を6g以内まで減らすことが望ましいのですが、いきなり達成するのは厳しい数値です。医師や管理栄養士の指導を受け、「利尿作用のある野菜や果物などをバランスよく摂取して塩分の排出を促す」などの対策にも取り組んでください。

また、適度な運動を継続的に行い、適正体重を維持するようにします。一日あたり30~60分の有酸素運動を週3回以上おこなうと効果が上がると言われています。もっとも、高血圧の状態は人によって異なります。運動の効果も千差万別です。医師や健康運動指導士から適切なアドバイスを受けて実践してください。

食事療法や運動療法で十分な改善が見られないときは、薬物療法を併用します。具体的には、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬を患者さまの症状に合わせて処方します。

不整脈

心臓の脈拍は、安静にしているときは遅くなり、運動時などは早くなります。しかし、このような原因がないにもかかわらず、心臓の鼓動のリズムが安定せず、脈拍が異常に遅くなったり、速くなったり、不規則になったりする病気を不整脈と呼んでいます。

原因は、冠動脈疾患や心臓弁膜症などの心疾患をもっていらっしゃる方もおりますが、甲状腺異常や肺に病気がある人も不整脈になりやすい傾向があります。この他、老化や体質的要因、ストレス、睡眠不足、疲労などによって引き起こされることもあります。

不整脈は、動悸や息切れなどの自覚症状が見られる場合だけなく、ほとんど自覚症状が出現しないケースもあります。なかには突然死を引き起こすものもありますので注意が必要です。

代表的な不整脈の種類

脈が遅くなるタイプ(徐脈)
  • 洞不全症候群
  • 房室ブロック
脈が速くなるタイプ(頻脈)
  • WPW症候群
  • 房室結節リエントリー性頻拍
  • 心房粗動
  • 心室頻拍
  • 心室細動
脈が乱れるタイプ
  • 期外収縮
  • 心房細動

脈が遅くなるタイプ

洞不全症候群

心臓の右心房の近くにある洞房結節に障害が起こることにより、電気信号が上手く伝えられなくなり、脈拍数が1分間に50回以下に落ち込む疾患です(50回以下でも問題がない方もいます)。徐脈によって全身の倦怠感、めまい、ふらつき、失神、息切れなどの症状が出現しやすくなります。

房室ブロック

洞房結節から出された電気刺激が心房と心室の境界ある房室結節の部位でうまく伝わらなくなることにより脈拍数が減少する疾患です。

脈が速くなるタイプ

WPW症候群

通常心房から心室に電気信号が伝わる房室結節に加え、心房と心室をつなぐ別の電気回路として副伝導路が存在する症例のことであります。WPW症候群では、心拍数が異常に多くなってしまう頻脈発作を起こすことがあります。放置しても自然に副伝導路の伝導性が低下するケースもありますが、その一方で、突然死の原因としても知られていますので注意が必要です。

房室結節リエントリー性頻拍

心臓の正常な伝導路である房室結節の回路が1本ではなく複数存在することで、頻脈となってしまうタイプです。

心房粗動

右心房と右心室の間にある三尖弁輪の周囲を電気信号が回ってしまうことにより、頻脈となってしまう疾患です。

心室頻拍

心室の期外収縮が連続して起こり、心拍数が毎分120回以上になってしまう状態です。心臓に何らかの基礎心疾患がある方に多く出現します。動悸に加え、脱力感やふらつき、胸の不快感などの症状が見られます。

心室細動

心室が小刻みに痙攣して全身に血液を送り出すことが出来なくなる状態です。数秒のうちに意識を失い、迅速に治療しなければ死に至る可能性があります。心筋症や心筋梗塞などによって心機能が低下している方は特に注意が必要です。

脈が乱れるタイプ

期外収縮

本来は電気が生じないはずの場所から電気刺激が発せられ、脈が乱れる疾患です。この刺激が心房から出るものを心房性期外収縮、心室から出るものを心室性期外収縮と呼びます。
心臓に起因する疾患がなく、危険を及ぼさないものが多いと言われています。しかし、一部の症例では治療が必要となりますので、専門医での評価が必要です。

心房細動

心房の中に迷路のように伝わる電気刺激が発生する場所ができ、心房内の電気刺激が、不規則に心室に伝わることによって脈が乱れる疾患です。動悸がして息苦しくなったり、めまいなどの症状が出現したりすることがあります。

不整脈の検査

不整脈が疑われるときは、まず心電図検査を行います。医療機関内で行う心電図検査だけでなく、ホルター心電図検査も重要です。ホルター心電図検査は、携帯式の小型の心電計を装着したまま帰宅してもらい、身体を動かしているときや、就寝中の心電図がどのように変化するのかを調べるものです。

さらに、胸部エックス線、血液検査、運動負荷心電図、心臓超音波検査なども必要に応じて行います。より詳細な評価が必要な場合は、カテーテルを心臓内に挿入して電気回路を評価する心臓電気生理学的検査を行うこともあります。

不整脈の治療法

現在行われている主な治療としては、薬物療法、カテーテル心筋焼灼術、ペースメーカ埋め込み術などがあります。

薬物療法では、脈の乱れを整えたり、心臓の拍動を抑えたりする抗不整脈薬を症状に応じて使い分けます。また心房粗銅や心房細動においては、心臓内の血栓形成を予防する目的で抗凝固薬を使用することもあります。

カテーテル心筋焼灼術は、足の付け根などから細長い管(カテーテル)を挿入し、心臓の中まで進め、様々なエネルギー源によって不整脈の原因を取り除く治療法です。心房細動や心房粗動、心室期外収縮、心室頻拍など、ほとんどの不整脈を治療することが出来ますが、成功率は不整脈の種類や患者さんの病態で様々です。再発例などで2回以上の治療が必要となるケースもあります。

ペースメーカ埋め込み術は、左右いずれかの鎖骨下部分の皮膚の下にポケットを作り、そこにペースメーカ本体を収め、リード(導線)を心房や心室に挿入します。ペースメーカ治療は、自らの脈が遅くなったことを感知して、規則的な電気刺激を心臓に伝え、徐脈を予防するものです。近年では皮膚の下ではなく、心臓の中に埋め込む非常に小さなサイズのペースメーカも使用されてきています。

またペースメーカ治療よりさらに進んだ不整脈の治療機器として埋め込み型除細動器というものもあります。こちらは心室頻拍、心室細動という非常に危険な頻脈発作を感知して、電気刺激を心臓に伝え、頻脈発作を止めるための機器であります。こちらはリード(導線)を血管内に埋め込むものと前胸部の皮下に埋め込むものがあります。

動脈硬化症

動脈硬化症とは、文字通り「動脈が硬くなる」ことです。動脈が硬くなると、血管のしなやかさが失われるために血液をうまく送り出せず、心臓に負担がかかってしまいます。
また、動脈が硬くなる経過で重要な問題として、血管内腔の狭窄、閉塞があります。この狭窄の原因としては、血管の内側にできる粥腫(コレステロールや脂肪などと、血中にあるマクロファージと言われる物質が沈着したもの)というものがあります。血管の中を占める粥腫の量が増えると、内腔が狭くなったり、詰まったり、また粥腫がはがれて血液中を漂い、細い血管を詰まらせたりします。ちょうど水道管が古くなると汚れて詰まったり、錆びてはがれたりするのと同じような状態です。

血管の内側が狭くなると、必要な酸素や栄養が全身に行き渡らず、臓器や組織が正常に機能しなくなります。さらに血管が詰まると、臓器や組織に血液が届かず、壊死(組織が死んでしまうこと)してしまう場合もあります。 また、動脈硬化の進展した血管は弾力性がなくなり、血管はもろく破れやすくなります。

動脈硬化が招く疾患

動脈硬化症が進行すると高血圧を招き、心臓にも大きな負担がかかってくるため、心肥大・心不全などの心疾患につながります。

また、血管が狭くなったり詰まったりすることで、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などを招きます。血管が破れると、脳出血や動脈瘤破裂などを引き起こすこともあります。

動脈硬化の改善

このように動脈硬化は、死につながる恐ろしい症状を呼び寄せかねないのです。動脈硬化の進行の原因として加齢は避けがたいものでありますが、適度な運動、バランスの良い食事と体重管理、禁煙、そしてケースによっては薬物療法を行うことで進行を遅らせることはできます。

動脈硬化症の危険因子として、糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症などに対しては、治療薬を服用することもあります。

脂質異常症(高脂血症)

血液中に含まれている脂質のうち、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪(トリグリセリド)が基準とされる数値よりも高い(高脂血症)、もしくはHDL(善玉)コレステロールが基準とされる数値よりも低いと判定されると脂質異常症と診断されます。同疾患発症の有無は、血液検査によって判定されます。以下のいずれかの状態である場合が脂質異常症です。

  • LDLコレステロール値≧140mg/dL(高LDLコレステロール血症)
  • 中性脂肪≧150mg/dL(高トリグリセライド血症)
  • HDLコレステロール値<40mg/dL(低HDLコレステロール血症)

上記のように脂質異常症は3つのタイプがあるわけですが、いずれも自覚症状が現れにくく、多くの患者さんは定期的に行う健康診断の結果から医師に指摘されて気づくということが多いです。ただ何も症状が出ないことから、放置を続ける患者さまも少なくありません。脂質異常症は動脈硬化のリスクファクターとして大変重要であり、脳血管障害や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)といった重篤な合併症を引き起こすようになります。最悪な状況にならないためにも、健診結果で医師から脂質異常症に関する数値の異常の指摘を受けたら一度ご受診されることをお勧めします。

脂質異常症には、原発性脂質異常症と二次性脂質異常症の2つがあります。前者は、遺伝的な要因(家族性高コレステロール血症)によるところが多く、また脂質異常症になりやすい体質の方が不摂生な生活習慣(過食、運動不足、喫煙、お酒の飲み過ぎ、ストレス など)を続けるなどして発症することもあります。二次性脂質異常症は、何らかの基礎疾患(甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、糖尿病、クッシング症候群 など)がある、お酒の飲み過ぎ、薬剤(ステロイド薬 など)、肥満などによって引き起こされるといったことが原因となります。

治療について

治療に関しては、生活習慣の改善から始めていきます。最も大切なのは食事面(食事療法)ですが、適正体重を維持したうえで、高LDLコレステロール血症の方であれば、飽和脂肪酸とコレステロール、トランス脂肪酸を減らします。具体的には、脂肪が多く含める肉の脂身や内臓、バター、卵黄などをできるだけ控えましょう。魚介類や大豆製品を十分に揃え、野菜、きのこ類、海藻といった食物繊維を多く含む食品を摂取します。

また、運動療法はトリグリセライド(中性脂肪)の減少とHDLコレステロールの増加が期待できますので、これも始めるようにしてください。その内容は主に有酸素運動になりますが、1回30分ほどのウォーキングで効果が見込めるようになりますが、できるだけ毎日行っていくのが望ましいです。また喫煙をされている方は禁煙する必要があります。

なお上記の生活習慣の改善だけではLDLコレステロール値が下がらないという場合は、生活習慣の改善と共にLDLコレステロール値を下げる薬が医師より処方されます。服用の際は、必ず医師の指示に従ってください。

狭心症

狭心症は、心臓の冠動脈(心臓の上に冠のように乗っており、心筋に酸素と栄養を供給している動脈)の血流が不足することによって、心筋が酸素不足に陥る疾患です。主に動脈硬化のために冠動脈の血管が狭くなり、心臓への血液の流れが一時的に滞るために発症します。狭心症を放置すると、やがて冠動脈が閉塞して心筋梗塞となり、命にもかかわる危険な状態になったりします。そのため狭心症の段階で、しっかりと治療しておくことが肝心です。

狭心症の症状

狭心症の症状は、普通は「労作性狭心症」と言って労作時(体を動かした時)、つまり急ぎ足で歩いたり、階段や坂道を登ったりした時などに起こり、胸の中央部辺りが締めつけられる、あるいは何かを押しつけられているような圧迫感を覚えます。少し休むと治まってしまうのが特徴です。

痛みはしばしば左肩・腕や顎(あご)まで広がり、みずおちに胃の痛みのようなものが感じられたり、息切れとして自覚されたりすることもあります。症状の持続時間は、数十秒から数分程度です。

一方、「安静時狭心症」と言って、同じような症状が労作と関係無く出ることがあります。これは「冠攣縮(かんれんしゅく)」、つまり冠動脈が痙攣したように収縮してしまい、動脈硬化で細くなったときと同様の狭窄が一時的に作り出されるために起きる現象です。

狭心症の検査

狭心症の主な検査には、心電図、運動負荷試験(トレッドミル・エルゴメータなど)、RI(ラジオアイソトープ)負荷検査、ホルター心電図、冠動脈造影などといった方法があります。

狭心症の治療

狭心症の治療法についてですが、狭心症の元々の原因は多くの場合、動脈硬化です。いったん起こった動脈硬化を元通りにすることは、現時点では不可能です。したがって動脈硬化がそれ以上進まないように努力する、ということが治療の大前提になります。

そのためには高血圧・脂質異常症(高脂血症)・糖尿病などを治療し、また禁煙、適正体重の維持、適度な運動などを心がけることによって、危険因子を可能な限り減らすことが重要です。

それらを踏まえた上で、近年ではカテーテルを使用した治療法が飛躍的に進歩しており、早期に狭心症の有無を診断し適切な治療をうけることが大切です。

心筋梗塞

冠動脈が詰まって血流が途絶えると、心臓の筋肉に酸素と栄養が供給されなくなり、やがてその領域の筋肉細胞が死に至り(壊死)、心筋梗塞が発症します。心筋梗塞になると、激しい胸の痛み、重い感じ、呼吸困難、冷汗、嘔吐などの症状が現れます。ただし、高齢者や糖尿病患者では胸痛を自覚しないこともあり、なんとなく元気が無い、吐き気などが主な症状であったりすることから、見落とされるケースも少なくないので、要注意です。

心筋梗塞の検査

心筋梗塞の診断は発症時の症状(持続する胸痛など)、心電図検査、血液検査などで診断されます。心臓超音波検査(エコー)も心臓の壁運動障害が観察できるため、診断の補助になります。さらに心臓カテーテル検査を行うと、閉塞または狭窄した冠動脈が観察でき、診断に非常に有用です。

心筋梗塞の治療

心筋梗塞では、閉塞した冠動脈の血流を早く再開通させることが最も重要です。その方法としては、閉塞した冠動脈の血栓(血のかたまり)を溶かしたり(血栓溶解療法)、血栓を体外に吸引したり、詰まった血管を風船で拡張したり(冠動脈形成術)、ステントという金属で拡張したり(ステント植え込み術)する方法などがあります。いずれにしても、いかに早く血流を再開通させるかが、その後の経過を左右します。

心筋梗塞の予防

心筋梗塞を予防するためには、動脈硬化の進行を防ぐことが大切です。それには、危険因子の除去に努めることが重要になってきます。
以下のような心がけが、心筋梗塞から身を守ります。

  • 禁煙する
  • 塩分、糖分、脂肪分を摂り過ぎない
  • バランスの良い食事を心がける
  • 適度な運動をする
  • ストレスにうまく対処する
  • 規則正しい生活をおくる
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)を治療する
  • 心筋梗塞予防目的の薬を正しく服用する
  • 強い胸痛を感じたら、医療機関に急ぐ

心筋症

心筋症は “心機能障害を伴う心筋疾患 ”と定義されています。心臓には様々な病気があり、心臓の筋肉に栄養を供給する冠動脈に問題が生じる虚血性心疾患、4つの部屋(左右の心房心室)に分かれた心臓の扉となっている弁に問題が生じる弁膜症、刺激伝導系という心筋の収縮をつかさどる電気の流れに異常が生じる不整脈など多岐にわたります。これらの疾患は全て心臓の壁である心筋に障害が及ぶのですが、そもそもの原因が心筋自体にあるものを心筋症と呼んでいます。

心筋症には、拡張型心筋症、肥大型心筋症などがあります。またそれ以外にも心ファブリー病、たこつぼ型心筋症、心臓サルコイドーシス、心臓アミロイドーシス、不整脈源性右室心筋症などもの疾患も診断治療しています。しかし、上記のような病名が特定できない原因不明の心筋疾患も多く見られます。

検査について

症状には特徴的なものはなく、また無症状のことも多いので、心電図異常などで心筋症が疑われることもあります。検査については、安静心電図や胸部レントゲン検査が基本ですが、先ほど述べた虚血性心疾患、弁膜症、不整脈などの可能性を否定するために、冠動脈造影検査(CT検査)、心臓核医学検査(RI検査)、磁気共鳴画像診断検査(MRI検査)、心臓超音波検査(エコー検査)、ホルター心電図検査などを施行することもあります。さらにカテーテルというものを使って直接心筋の組織を採ってくる心筋生検という検査が行われることもあります。

治療について

治療で最も大切な点は、病名を確定するために詳しく検査していくことです。通常の心不全治療や不整脈治療に加えて、心臓サルコイドーシスに対するステロイド治療、心臓アミロイドーシスに対する薬物治療、心ファブリー病に対する酵素補充療法などの治療法があります。

心不全

心不全とは、「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義されています。放置すると、どんどん悪化していき、最終的には死に至ることもあります。実際、わが国の循環器疾患による死亡率は、がんに次いで第2位となっております。

心不全になると、多くは心臓のポンプ機能が低下するため、肺に送られた血液を心臓に戻しにくくなります。そのため、肺の内部に血液が滞留し、息切れが起こるのです。このような血液の滞留は肺だけで起こるわけではありません。全身の様々な部位(特に足など)で発生し、むくみが生じます。この他、心臓機能の低下によって疲れやすくなったり、手足の先などが冷えやすくなったりします。

心不全とは、心臓が悪いために引きおこされる病態の総称であり、「心筋梗塞があるため心不全が発症する」、「弁膜症があるため心不全が発症する」などのように心不全の原因となる心疾患は様々です。

心不全の検査方法

一般的には、聴診、血液検査、胸部X線、心電図検査、心エコー検査などが行われます。聴診では、聴診器を用いて心雑音や心臓疾患特有の異音の有無を確認します。血液検査では、主に脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)がどのくらい高いのかを調べます。この数値が高いときには、心不全が悪化している可能性が高いからです。なお、NT-pro BNPというBNPの副産物の値を調べることもあります。胸部X線検査では、心臓のサイズ、肺動脈や肺静脈の血管の形状、胸水の有無を把握することが出来ます。心電図検査では、不整脈の有無や心房や心室への負荷所見の有無などが分かります。心エコーを用いた検査は大変重要です。これによって心臓の動きや心臓弁膜の状況を把握することが出来ます。

心不全の治療法

大別して、心不全の症状を改善し、進展を予防する治療、心不全の原因となっている疾患の治療の2つがあります。前者の治療としては、利尿薬、アルドステロン拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬などの薬物療法が中心となります。利尿薬は、肺や全身に溜まった水分を体外に排出しやすくし、心臓の負担を減らす効果があります。アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、アンジオテンシンⅡの生成を抑制することによって末梢血管を拡張させ心臓への負荷を軽減させます。β遮断薬は、交感神経系に働きかけ、頻脈や血圧上昇の抑制効果が認められています。

心不全の原因となっている疾患の治療も重要です。虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)が原因ならば、狭窄や閉塞している冠動脈に対する冠動脈インターベンション治療を行います。また、心臓弁膜症が原因であれば、弁の形成術や置換術などを検討します。頻脈性不整脈のときは、頻脈を抑制する薬を使用したり、不整脈の発生源となる心筋をカテーテルで焼灼する治療なども行われます。

長期にわたる治療・ケアが重要です

心臓の機能が低下し、心不全となってしまうと、なかなか元通りの健康な状態に戻ることは難しくなります。必要な治療を行うことによって症状を改善することは出来るのですが、その後、再び心臓の状況が徐々に悪化していくケースが多いのです。そのため、心臓の治療・ケアを長く続けていくことになります。

大切なことは、患者さんと担当医師が良好な関係を構築し、心不全の原因を踏まえて治療を進め、必要に応じて薬を正しく服用し、心臓に負担をかけない生活習慣を身につけることです。そうすることによって、大きな支障のない生活を続けることも可能となります。

心臓弁膜症

心臓の内部は、右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋に分かれており、右心室からは肺動脈が、左心室からは大動脈が繋がっています。これらの境目にあり、扉のように開閉する構造となっているものを「弁」と呼んでいます。心房と心室の境目にある弁として僧帽弁と三尖弁があり。心室と動脈の境目にある弁として大動脈弁と肺動脈弁があります。そして、この弁の開放に問題がある場合を狭窄症、閉鎖に問題がある場合を閉鎖不全と呼び、これらを心臓弁膜症と呼んでいます。

つまり、心臓弁膜症には僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症、肺動脈弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖不全症が存在することになります(多くの患者さんが複数の弁膜症を合併しています)。

各弁膜症にはいろいろな原因がありますが、近年高齢化や、糖尿病は脂質異常症などの動脈硬化リスクを抱える人が多くなり、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症などの患者さんが増加しております。

心臓弁膜症の主なタイプ

  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 大動脈弁狭窄症
  • 大動脈弁閉鎖不全症 など

僧帽弁閉鎖不全症

左心房と左心室との間にある僧帽弁や、それを形成する構造物に異変が発生し、僧帽弁がきちんと閉鎖しなくなる疾患です。左心室に流れた血液が左心房に逆流してしまい、血液を全身に送り出すときの負担が重くなります。また心房由来の不整脈も増えてきます。放置すると病状が悪化していき、心不全を引き起こすこともあります。

大動脈弁狭窄症

左心室から全身に血液を送り出す大動脈の入り口付近にある弁が開きにくくなる疾患です。一回の拍動で送り出せる血液量が相対的に少なくなるため、全身の臓器に十分な酸素供給ができなくなり、大動脈側に血液を送り出せないため、左心室に大きな負担がかかってしまい、左心室の筋肉が肥大化します。この状態が続くと、狭心症や失神、心不全などのリスクが高まります。

大動脈弁閉鎖不全症

大動脈弁がきちんと閉まりにくくなることによって、全身に送り出した血液の一部が逆流して左心室に戻ってきてしまう疾患です。大動脈弁狭窄症と同じように左心室に負担がかかり続け、十分な機能が果たせなくなっていきます。放置し、逆流量が増えると心不全を引き起こすことになります。

主な症状

心臓の弁膜が狭窄や閉鎖不全の状態に陥ったとしても、自覚症状が現れないこともあります。弁に支障が発生し、心臓には過度の負担がかかっているのですが、そのことに気づかず、病状が悪化してしまうケースが少なくないのです。

特異的な症状というものはなく、脈が乱れたり、めまいやふらつき、全身の倦怠感、息切れ、失神、胸痛などの症状が見られたときは、心臓弁膜症などの疾患が隠れている可能性があるので精査をおすすめします。

心臓弁膜症は、病状の進行に伴って心臓のポンプ機能が弱っていく疾患です。そのため、肺に水が貯留し呼吸困難感が出現したり、下肢のむくみなどが出ることもあります。

主な検査方法

まず聴診によって心雑音の有無や状態を確認します。さらに、BNPなどの採血検査も有用であり、心電図によって不整脈の有無や心房や心室への負荷所見を推察します。これらの検査で心臓弁膜症を疑った場合は、心臓超音波検査を行います。

さらに弁の詳細な評価のため胃カメラのように食道内にプローベを挿入する経食道心エコー検査を実施することもあります。それ以外にMRIやカテーテルを使った検査が追加で必要な場合もあります。

心臓弁膜症の治療法

弁膜症は心臓の弁膜に構造的な障害が発生しているため、治療の必要性がある症例では、外科手術やカテーテル治療を行うことになります。以前は外科手術による治療しかありませんでしたが、現在はカテーテルを挿入して行う治療も普及してきましたので、患者さんそれぞれに合わせて選択します。

外科手術は、大別して、患者さん自身の弁を残したうえで弁膜を修理する方法(弁形成術)、壊れてしまった弁を人工弁に取り換える方法(弁置換術)があります。後者については、生体弁と機械弁があり、患者さんの年齢や症状などを見極めて判断します。

カテーテル治療は進歩の著しい領域であり、従来外科手術でしか治療できなかった症例も侵襲度の低いカテーテル治療がおこなえるようになってきています。中でも経カテーテル的大動脈弁置換術の症例数は増加の一途をたどっております。

大動脈瘤

大動脈とは、心臓から送り出される血液を全身の血管へと送る体の中で最も太い血管です。この大動脈が何かしらの原因によって部分的に拡張し、こぶ状になってしまう病気が大動脈瘤です。なお発生する場所によって、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤と診断されます。原因については、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)によって引き起こされた動脈硬化、加齢、遺伝、肥満などが挙げられ、男性の患者さまが多く(女性の3~4倍)、50~70歳代で発症することが多いと言われています。

主な症状ですが、胸部大動脈にこぶができた場合(胸部大動脈瘤)は、声嗄れ、呼吸困難、食物などが飲み込みにくい、胸部や背部に痛み、喀血などがみられるようになります。また腹部大動脈にこぶの症状がある場合は、腹痛や腰痛、腹部に膨満感のほか、拍動性の腫れとしてこぶが腹部に触れることがあります。

検査について

胸部大動脈瘤が疑われる際は、超音波検査では評価が難しく、CT検査によって動脈瘤の位置や大きさを調べるのが最も一般的と言われています。腹部大動脈瘤が疑われる場合は、腹部超音波検査(腹部エコー)やCT検査によって動脈瘤の位置や大きさを調べます。

治療について

大動脈瘤を破裂させないことが治療の最大の目的となります(破裂をしてしまうと死亡する確率が極めて高くなるため)。検査の結果、大動脈瘤が小さく、その原因が高血圧であれば、降圧剤による薬物療法によって血圧をコントロールしていきます。この場合は、定期的に通院して、検査を受けるようにします。また大動脈瘤が大きい場合は、根治をさせるための手術療法となります。具体的には、人工血管置換術(大動脈瘤によって太くなった血管を人工血管に置き換える)、ステントグラフト内挿入術(血管内にカテーテルを挿入し、ステントグラフトという人工血管を挿入していく)などが行われます。

閉塞性動脈硬化症

主に動脈硬化によって手足の動脈(血管)に狭窄や閉塞が起き、これによる血流障害によって様々な症状がみられている状態を閉塞性動脈硬化症と言います。閉塞性動脈硬化症は主に足に症状が起こる病気ですが、高齢化や生活習慣の変化によって動脈硬化となる方は増え続けており、特に男性の中高齢者でよく見られます。

初期症状は現れにくく、下肢の症状としては、足にしびれや冷感が現れる程度です。また足先が首や腕などの部位よりも冷たく感じるようになります。そして病状がある程度進行すると間欠性跛行(ある程度歩くと足に痛みが出て歩けなくなるが、ひと休みすることで再び歩けるようになる状態を繰り返す)の症状が出るようになります。その後、病状がさらに進むと安静時でも足が痛むようになって眠れなくなるほか、足先に触れると、とても冷たく感じられるようになります。さらに酷い状態になると、足に潰瘍や壊死の症状が出るようになるほか、足先の傷がなかなか治りにくいということがあります。

下肢のしびれや間欠性跛行という症状は腰椎を中心とした脊椎疾患でもみられる症状でありますが、閉塞性動脈硬化症は狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患などの合併症としても知られています。足の痺れなどが生じた際は、心臓などにも何らかの障害が発生している可能性がありますので、お早めに医療機関を受診するようにして下さい。

検査について

まずはどのような症状があるのか問診を行います。その際に、下肢の皮膚の所見や脈拍の触知の有無などを調べます。さらに腹部や鼠径部において聴診器を用いて血管の雑音の有無を確認したりします。

その上で、足関節と上腕の血圧を同時測定するABIという検査や、末梢血管エコー検査、CTやMRI、あるいはカテーテルを使用した血管撮影なども検討します。

ABIは、足関節の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割った値です。数分で行える痛みもない簡単な検査であり、この値が低いときは、閉塞性動脈硬化症の可能性が高くなります。

超音波を血管に当てる血管エコー検査は、非侵襲的であり動脈硬化の進行状況を把握する上でとても役に立ちます。

治療について

この疾患は下肢の血流が滞っていることによって引き起こされますので、まずは血液の流れを回復させることが大切です。具体的には、薬物療法と運動療法、カテーテル治療、バイパス手術などを検討します。

薬物療法では、複数の薬がありますが、足の血流の回復を期待して使用します。運動療法は、足への血流を増やすとともに、血液中の最大酸素摂取量を高めることを目的として行います。但し、負荷が強いと逆に弊害が生じることもありますので、専門医のアドバイスを受けながら運動プログラムを実践するようにして下さい。

薬物療法や運動療法で十分な改善が見られなかった場合は、カテーテル治療や人工血管などを用いたバイパス手術などを検討します。これらの治療法は各症例の病変部位や狭窄や閉塞の程度を考慮して選択されます。最近はカテーテル機器の技術進歩などによって対応可能な症例も増えています。カテーテル治療が難しいケースでは、人工血管などを用いたバイパス手術などを検討します。

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