当院でできる検査
質の高い循環器医療を提供するために、
患者さん一人一人の状態を正確なデータとして医師に伝えます。
血液検査
血液検査では、得られた血液によって様々な身体の状態を把握することができます。
当院内に分析装置があり、結果を1時間弱で知ることができます。(一部項目を除く)
例えば心筋障害(心筋梗塞や狭心症)の予測、凝固機能(血栓や出血のリスク)や心不全の評価が可能となります。クリニック内で分析することで入院を含めた治療方針や前回受診時からの治療経過などを当日にお伝えできるという利点につながっています。
所要時間:5分
X線検査
当院ではX線検査の中でも主に胸部のX線検査を行います。
胸部X線検査はいわゆる「胸のレントゲン」と言われる検査で、胸全体にX線を当て、心臓・大動脈・肺・肋骨などに異常がないか調べることができます。
放射線を利用した検査ですが、胸部の撮影では約0.1mSv(シーベルト)の被ばくとなります。100mSv未満の被ばくでは発がんリスクの上昇は認められていません。
1000倍の差がありますので、安心して検査を受けていただけます。
所要時間:5分
安静時心電図検査
心臓に発生した微小な電気的興奮を、目に見えるように増幅して心電計で記録する検査です。不整脈や心筋障害、心室内の伝導異常を知ることができる循環器検査の中で最も基本となる検査です。
所要時間:5分
ホルター心電図検査
日常生活での心電図を24時間連続記録する検査で、不整脈の診断や狭心症発作時に特有な心電図変化を記録できます。
一日の中で心電図がどのような行動でどのように変化するか、また症状があるときはどのような変化が捉えられるのかを調べます。
取り付け…15分、翌日の取り外し…5分
注意事項とお願い
- 胸毛のある方は検査前日に剃毛をお願いします。
- ニトロダームテープなどの貼付剤を胸に貼っている場合、状況によりはがす場合がありますのでご了承ください。胸以外の上半身に貼るかもしくは予備のテープをご持参いただくことをおすすめします。
- 胸元の大きく開いた服装は、電極が見えるためお控えください。また、ワンピースや和服の着用もお控えください。
- 装着中は入浴・シャワーなど胸を濡らす行為はできません
24時間血圧測定検査
日常生活の中での一日の血圧の変化を調べます。血圧は、環境、行動、ストレスなどいろいろな原因で常に変動しています。そこで血圧の変化(日内変動)を知り、降圧剤の効果判定など治療に役立てる検査です。
取り付け…20分、翌日の取り外し…5分
注意事項
- 装着中は入浴と自動車等の運転ができません。
超音波検査
超音波検査は人に聞こえないような高い周波数を利用して様々な体内の器官を描出する検査です。体表から超音波(エコー)のプローブを当てて、検査を行います。放射線被ばくがなく、非侵襲的で安全な検査です。
経胸壁心エコー検査
心臓の大きさ、動き、心臓の筋肉や弁の状態、血液の流れなどを観察します。心臓病の診断や治療方法の選択、治療効果の判定、手術時期の決定などにも役立ちます。
所要時間:20~40分
頚動脈エコー検査
心臓から押し出された血液を脳に送り届けるための最も大切な血管である頚動脈の太さや走行、血管壁の状態(硬さや血栓の有無)、血液の流れを観察します。この検査により、動脈硬化の程度や血管の走行異常、狭窄が診断できます。
所要時間:約40分
末梢血管エコー検査
心臓・冠動静脈を除く全身の動脈や静脈を末梢血管といいますが当院で主に検査している血管は次の三つです。
腹部大動脈エコー検査
腹部大動脈の形態と血流を観察します。動脈の瘤化や解離、狭窄などがわかります。
所要時間:約30分
注意事項とお願い
- 検査の予約が午前中の方は朝食は摂らずにお越しください(水、お茶は可)。
腎動脈エコー検査
腎臓の形態と大動脈からの血流、および腎臓内の血流を観察します。高血圧の原因として腎動脈の異常が関係してある場合があります。この検査では腎臓への血液の流れを調べることができます。
所要時間:約60分
注意事項とお願い
- 検査の予約が午前中の方は朝食は摂らずにお越しください(水、お茶は可)。
下肢動静脈エコー
下肢動脈エコーでは足の動脈の血管壁の状態や血流を観察します。また血管内治療の経過観察なども行なっています。
下肢静脈エコーでは足の静脈内の血栓や逆流の有無を観察します。エコノミークラス症候群や静脈瘤の診断に用いられる検査です。
所要時間:約60分
運動負荷試験検査
トレッドミル検査
運動に対する心機能をチェックする検査です。虚血性心疾患の診断や治療効果の判定、運動による不整脈の増減などを検査します。
所要時間:約30分
注意事項とお願い
- 予約時刻の30分前までに受付をし、安静のままお待ちください。
- 極端な空腹状態は避け、食事は検査の2時間前までに軽く召し上がってください。
- 当日のアルコールは避けてください。タバコは検査2時間前からおやめください。
- 内服薬は医師から特別な指示がない限り、通常通りお飲みください。
- 持ち物:汗を掻くので運動しやすいズボンと靴下、タオル
(検査時の上半身は、裸または検査着着用になります。運動靴は21~28cmまでご用意があります。)
心肺運動負荷試験検査
運動中の心臓の機能と肺の機能を両方同時に測定する検査です。心臓については主に心電図により狭心症、心筋梗塞など心疾患の有無や程度を判定し、心臓のポンプ能力を調べます。また心臓に病気を持っている方や、高血圧や糖尿病で運動療法が必要な方の、心臓に負担をかけずに安心して実施できる運動の強さがわかります。
所要時間:約50分
注意事項とお願い
- 予約時刻の30分前までに受付をし、安静のままお待ちください。
- 極端な空腹状態は避け、食事は検査の2時間前までに軽く召し上がってください。
- 当日のアルコールは避けてください。タバコは検査2時間前からおやめください。
- 内服薬は医師から特別な指示がない限り、通常通りお飲みください。
- 持ち物:汗を掻くので運動しやすいズボンと靴下、タオル
(検査時の上半身は、裸または検査着着用になります。運動靴は21~28cmまでご用意があります。)
血圧脈波(PWV/ABI)検査
脳血管、心血管疾患や閉塞性動脈硬化症、高血圧や糖尿病による血管障害など総合的な動脈硬化をみる指標となる検査です。
PWV(脈波伝播速度)は血管の硬さの度合いを表し、ABI(上腕と足首の血圧比)は下肢血管の詰まりの度合いを表します。
所要時間:約15分
透析のシャントがある方はお申し出ください。
簡易型PSG(ポリソムノグラフィー)検査
自宅で機器の装着・脱着を行い、郵送後、検査センターでデータを解析します。睡眠障害、睡眠時無呼吸(睡眠時無呼吸症候群)の有無を調べる簡易検査です。
所要時間:約30分
(装着説明と機器のお渡し)
榊󠄀原記念病院で行う検査
榊󠄀原記念クリニックと榊󠄀原記念病院は同じ電子カルテで情報が共有されており、
検査結果はどちらでも確認できます。
MRI検査(磁気共鳴画像診断検査)
MRI検査の最大の特徴は、放射線を使用せずに検査が受けられることです。強力な磁石でできた筒(ガントリー)の中に入り、磁気の力と電波を利用して心臓や血管を撮影します。
榊󠄀原記念病院では2019年に最新の装置を導入しました。従来の装置と比較して、筒の長さが短くなり、穴の部分が広くなったので患者さんが感じる圧迫感を軽減しています。
造影剤を使用しなくても、血管の評価に有効です。また造影剤を併用することで、心筋の形態だけでなく障害の程度を評価できます。
さらに最新の撮像評価法が可能となり、息止めが困難な患者さんでも、今までより鮮明な画像が撮影可能となりました。
経食道心エコー検査(経食道心臓超音波検査)
経食道心エコー検査は、心臓のすぐ後ろにある食道側から心臓を観察します。骨や肺などに超音波が邪魔されないため、通常の心臓エコー検査では見えにくい場所や、より詳細な観察が行えます。
心臓弁膜症、先天性心疾患、大動脈解離の評価、除細動や心房細動のカテーテルアブレーション前に大切な心臓内の血栓(血のかたまり)の有無の確認に有効です。
検査は、喉に麻酔(スプレー状の麻酔薬を喉へ噴射)をして、胃カメラのように口から食道に直径約1cmの超音波内視鏡を入れ、心臓を観察します。
CT検査(コンピューター断層撮影検査)
CT検査は、ドーナツ状になった筒の中で、X線を高速回転させながら身体の周りにあてて撮影を行います。
回転が速いほど、シャッターが速くなり、動く心臓を鮮明に撮影することができます。撮影した情報は、コンピューターで処理し輪切りの画像を作ります。
榊󠄀原記念病院で導入している装置は、X線を発生させる機械(X線管)と受ける機械(検出器)が従来1対であるところ2対搭載されています。
それにより、従来の装置より高速で撮影が可能となり、息止めが困難な患者さんでも、短い時間で撮影を行うことができます。
また、検査の内容にもよりますが、異なる2種類の X線を用いた撮影を行うことで、造影剤を減量しても従来の造影CTと同等の造影効果を得た画像を取得することができます。
これらを利用することで、冠動脈や心臓の弁の動き、人工弁を綺麗に撮影することが可能となります。
核医学検査
核医学検査は微量の放射性医薬品を投与して、心臓の筋肉への血流や働きを診断する検査です。画像化することで、病気による形態の変化が現れる前に、機能・代謝の変化を知ることができます。近年、半導体装置が開発され、以前より詳細な画像が得られるようになりました。
榊󠄀原記念病院で導入している全身用の装置と心臓専用の装置は、ともに日本で初めての半導体装置として導入されています。この装置は、高画質の画像を短時間で得ることができます。
また従来は、寝た状態で検査を行うため、腰の痛い患者さんや背中の曲がった患者さんには苦痛を伴う検査でしたが、心臓専用の装置は、寝た状態だけでなく、座った姿勢でも検査が施行できるため、楽に検査を受けてもらえるようになりました。
当院臨床検査技師の
専門資格・認定技師
- 日本超音波学会認定 超音波検査士:6名
- 日本心臓リハビリテーション学会認定 心臓リハビリテーション上級指導士:1名
- 日本腎臓リハビリテーション学会認定 腎臓リハビリテーション指導士:1名
- 日本心臓病学会認定 心臓病上級臨床検査技師:1名
- 血管診療技師(CVT):2名
- JHRS認定 心電専門士:1名
- 二級臨床検査士(循環生理学):3名
- 日本不整脈心電学会認定 植込み型心臓デバイス認定士:1名